首
首の構造
頚椎は椎体(骨)と椎間板というクッションが交互に積み重なった構造をしています。椎間板があるため首を動かすことができ、首は7個の椎体で構成されます。
椎体の後方部分である椎弓と言われるリング状の構造物が連なってできた空間が、脊柱管です。脊柱管の中に神経、血管、靭帯があります。
そして脊柱管というトンネルの中を首から腰まで椎体に沿って走る神経が、脊髄です。各椎体間で、脊髄より左右に枝分かれした神経を神経根と言います。
さらに神経根は枝分かれしていき、それぞれの筋肉等までいって情報伝達を行います。
肩こり(かたこり)
頸部から肩関節、肩甲骨周囲の痛み、張りが肩こりです。
原因
首や肩が緊張するような姿勢で作業(連続して同じ姿勢の作業など)をする人、姿勢が良くない人(猫背など)が、頸部より肩甲骨、背部にある僧帽筋や周囲の筋肉に負担がかかることで痛みを感じます。
治療
薬の内服、注射、物理療法、姿勢改善、筋力改善目的の運動療法
頚椎椎間板ヘルニア(けいついついかんばんへるにあ)
何らかの原因で椎間板が飛び出て、椎体の後ろにある神経を圧迫して様々な症状に至ります。

原因
加齢や先天的に椎間板が弱くなっているところに外力が加わり、ヘルニアが起こります。
症状
首痛、肩こり、手の痛み、痺れ症状が進行すると歩きにくくなることもあります。
治療
❶ 保存治療
症状に対して薬の内服、注射、物理療法で症状を抑えます。また運動リハビリで筋肉を鍛え、頚椎にかかる負担を軽減します。
❷ 手術治療
お箸やボタンなど手先の作業が難しい、歩きにくいなどの症状まで進行した場合は手術が必要になることもあります。
頚椎症(けいついしょう)
頚椎は、椎体(骨)と椎間板というクッションが交互に積み重なった構造をしています。椎間板があるため、首を動かすことができます。
頸椎の椎間板や椎体(骨)が加齢に伴って変形することで、椎体の後方にある神経や、その神経から左右に枝分かれした神経根の通り道を狭くしてしまう状態のことを言います。その結果、椎体後方の神経である脊髄を圧迫した頸椎症性脊髄症、枝分かれした神経根を圧迫する頚椎症性神経根症に至ります。

症状
❶ 頚椎症性脊髄症
手先の細かい作業(お箸を使う、ボタンをかける)が困難、歩きにくい。
❷ 頚椎症性神経根症
首の手足の痺れ、痛み
治療
❶ 保存治療
症状に対して薬の内服、注射、物理療法で症状を和らげる。また運動リハビリで筋肉を鍛え頚椎にかかる負担を軽減します。
❷ 手術治療
保存治療で症状の改善がない場合、脊髄症状がある場合は手術が必要になることがあります。
後縦靭帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)
脊椎(骨)に囲まれた脊柱管(神経の通り道)の前側で脊椎と脊椎を連結している靭帯である後縱靭帯が、骨のように硬く、厚くなり、脊髄や神経根を圧迫してしまう病気です。
難病に指定されています。

症状
上肢の特定の部位の痺れ
手先の細かい作業(お箸を使う、ボタンをかける)が困難、歩きにくい
治療
❶ 保存治療
症状に対して薬の内服、注射、物理療法で症状を和らげる。
❷ 手術治療
保存治療を行なっても症状が増悪する、日常生活に支障が出た場合は手術が必要になることがあります。
頚椎捻挫(けいついねんざ)
一般的に『むち打ち』として知られます。交通事故、スポーツなどで、急激に首を動かされることにより生じる、首の筋肉、靭帯、軟骨の損傷です。

- むち打ちで損傷する筋

症状
首の痛み、こわばり、頭痛、肩や腕の痺れ
治療
安静、アイシング、症状に対して薬物治療、物理療法、運動療法。ごく稀なケースとして手術が検討されることがあります。
肩関節
肩の構造
肩関節は球関節(ボールと受け皿の関節)です。上腕骨(腕の骨)の先端である上腕骨頭(ボール)が肩の骨である肩甲骨の関節窩(受け皿)と組み合わさって形成される関節です。上腕骨頭-関節窩の接触部はそれぞれ軟骨でコーティングされており、滑膜(滑液)とともに肩関節のスムーズな動きを生み出しています。
また上腕骨と肩甲骨をつなぐ筋肉を腱板と言います。腕をあげたり、下げたりする際に安定化する役割があります。
腱板は、① 棘上筋 ② 棘下筋 ③ 肩甲下筋 ④ 小円筋 の4つの筋肉で構成されています。ローテータカフ、インナーマッスルとも言われます。
四十肩、五十肩:肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)
肩関節周囲の組織の加齢による変化をもとにして、明らかな原因がなく炎症や損傷が起こるもの。
症状
肩の痛み、不快感、肩関節の動きの制限
治療
❶ 痛みに対して薬物療法、注射、物理療法、肩関節の動きの制限に対する運動療法
❷ 体外衝撃波
筋肉や腱など痛みのある部位にエネルギーを与え、組織再生を促します。
その結果、即時的な痛みの軽減、動かしやすさを感じることができます。
(当院で体外衝撃波の治療が行えます)
腱板損傷・腱板炎(けんばんそんしょう・けんばんえん)
腱板は、① 棘上筋 ② 棘下筋 ③ 肩甲下筋 ④ 小円筋の4つの筋肉で構成されています。ローテータカフ、インナーマッスルとも言われます。
腕の骨(上腕骨)と肩甲骨をつなぐ筋肉で、腕をあげたり、下げたりする際に安定させる役割があります。
怪我で損傷する場合や、はっきりとした原因なく日常生活の中で炎症を起こしたり、損傷する場合があります。

症状
肩関節挙上時の痛み(60-120度付近で痛みが出ます)、夜間痛、筋肉の萎縮
治療
❶ 保存治療
薬物療法、注射療法、運動療法(肩周囲の筋肉トレーニング、可動域訓練)
❷ 手術治療
保存治療で痛みが改善しない、動きの制限がある場合は手術が検討されることがあります。
変形性肩関節症(へんけいせいかたかんせつしょう)
肩関節は球関節(ボールと受け皿の関節)です。上腕骨(腕の骨)の先端である上腕骨頭(ボール)が肩の骨である肩甲骨の関節窩(受け皿)と組み合わさって形成される関節です。上腕骨頭-関節窩の接触部はそれぞれ軟骨でコーティングされており、滑膜(滑液)とともに肩関節のスムーズな動きを生み出しています。また肩関節を動かす時は、軟骨がクッションとなり痛みを生ずることはありません。しかし様々な原因で肩関節が傷んでしまい、痛みで日常生活に支障をきたす場合があります。
若いときには柔らかく滑らかだった軟骨も、加齢によりだんだん硬くなり、クッションの効果が失われてしまうことがあります。その結果、ひどい場合には軟骨が擦り減り、骨がこすれて痛みを生じてしまいます。これが変形性肩関節です。
症状
じっとしていれば痛みは感じませんが、肩を動かすと痛みやゴリゴリと骨が擦れ合う音や振動を感じます。また徐々に肩関節の動かせる範囲が狭くなってきます。
治療
❶ 保存治療
鎮痛剤など内服加療、関節内へヒアルロン酸注射、物理療法、運動療法を行います。
❷ 手術治療
保存治療を行なっても、痛みが強く、持続する場合は手術(人工肩関節置換術)が行われることがあります。
石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)
腱板は、① 棘上筋 ② 棘下筋 ③ 肩甲下筋 ④ 小円筋 の4つの筋肉で構成されています。ローテータカフ、インナーマッスルとも言われます。
腕の骨(上腕骨)と肩甲骨をつなぐ筋肉で、腕をあげたり、下げたりする際に安定させる役割があります。
この腱板にリン酸カルシウム結晶が沈着することで起こります。原因ははっきりしていませんが、肩の使いすぎによるごく小さな傷が原因とも言われています。

治療
❶ 保存治療
痛みに対する薬物療法、注射、物理療法、肩関節の動きの制限に対する運動療法
❷ 体外衝撃波
体外衝撃波はカルシウム沈着物を破壊し、痛みを軽減するため、体への侵襲が少ない治療法です。
(当院で体外衝撃波の治療が行えます)❸ 手術治療
保存治療、体外衝撃波での改善が認められない場合は、稀に手術が必要なことがあります。
肩関節脱臼(かたかんせつだっきゅう)
肩関節は球関節(ボールと受け皿の関節)です。上腕骨(腕の骨)の先端である上腕骨頭(ボール)が、肩の骨である肩甲骨の関節窩(受け皿)と組み合わさって形成される関節です。腕の骨が関節窩から外れるのが、肩関節脱臼です。
肩関節は動く範囲が広く、骨での安定性が低いため、外れやすい関節と言われます。
症状
痛みにより腕を動かせなくなることが多いです。整復後は三角巾で固定することが多いです。
治療
❶ 整復すると、痛みも改善し、肩関節が動かせるようになります。
❷ 手術治療
何度も脱臼を繰り返す『反復性肩関節脱臼』では、数回の脱臼で、骨が痛んでいたり、関節唇損傷、腱板損傷を起こしていることがあり、手術が必要になることがあります。
肘
肘の構造
肘関節は蝶番構造と車軸構造で形成されています。蝶番構造は上腕骨(腕の骨)の滑車に、尺骨(前腕の骨)のフック状のくぼみが組み合わさって形成される関節です。車軸構造は上腕骨のくぼみの中を橈骨骨頭(車輪)がクルクル回ることで、腕の肘から下をねじることができます。
上腕骨頭-尺骨-橈骨の接触部はそれぞれ軟骨でコーティングされており、滑膜(滑液)とともに肘関節のスムーズな動きを生み出しています。
また肘関節を安定させるため、内側は内側側副靱帯、外側は橈骨頭を包み込むように輪状靭帯が、外側全体を安定させるために、外側側副靭帯が骨を連結しています。

- 伸ばす筋肉

- 曲げる筋肉

テニス肘:上腕骨外上顆炎(じょうわんこつがいじょうかえん)
中高年のテニス愛好家に多いことよりテニス肘と言われています。一般的に年齢と共に腱が痛んで発症します。長橈側手根伸筋(手首を伸ばす筋肉)、短橈骨側手根伸筋(手首を伸ばす筋肉)、総指伸筋(指を伸ばす筋肉)の腱の付着部周囲(肘関節周囲)での障害です。

症状
関節周囲の痛み(特にドアのぶを回す、ペットボトルをあける、雑巾を絞る動作で痛みを感じる)
治療
❶ 保存治療
湿布、塗り薬、ストレッチ、注射療法、ストレッチ、物理療法、装具(テニス肘用バンド)
❷ 体外衝撃波
筋肉や腱など痛みのある部位にエネルギーを与え、組織再生を促します。
その結果、即時的な痛みの軽減、動かしやすさを感じることができます。
(当院で体外衝撃波の治療が行えます)❸ 手術治療
保存治療、体外衝撃波でも改善がない場合、ごく稀に行うことがあります。
肘内障(ちゅうないしょう)
幼児における肘の外側の骨(橈骨頭)をループ状に取り囲む橈骨輪状靭帯が橈骨頭より亜脱臼(外れかかる)したり、引っかかった状態です。幼児の橈骨頭は形態がまだ成長しきっていないため脆弱です。
輪状靭帯の付着がしっかりする6歳以降までは起こる可能性があります。
多くは幼児の手を引っ張るなどの動作で発症します。時には寝返り、転倒等で起こることもあります。
症状
肘関節中心の痛み。多くは腕をダラんとして動かさなくなることが多いです。
幼児は痛みの場所をうまく表現できないことや、他の部位を動かすと肘に響くことから、『手首が痛い』『肩が痛い』など肘以外の場所を痛がる場合もあります。
治療
整復(麻酔等は必要なく、診察室で整復できます)
整復操作の後、痛みがなくなり、問題なく腕を使う様になります。
場合によっては痛かった時のことが頭にあり、整復されていても、恐怖心より即座に動かさないお子さんもいます。
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
肘の内側を走る尺骨神経と言われる神経の障害で、痺れなどの症状を生じるものです。肘の内側には上腕骨(腕の骨)、靭帯、筋膜、腱膜で構成された肘部管と言われるトンネル状の構造物があります。このトンネルの中を尺骨神経が通っています。
様々な原因(肘変形、ガングリオンなどのできもの、肘部管構造物の肥厚等)で、慢性的に尺骨神経が圧迫されたり、引っ張られると発症します。

症状
薬指、小指から肘にかけての痺れ。
進行すると薬指、小指を曲げにくくなります。結果的に曲がったままに変形してしまいます(これを鷲手と言います)。
治療
❶ 保存治療
痺れなど症状に対して、投薬治療、塗り薬、物理療法、運動療法
❷ 手術治療
症状が改善せず、日常生活に支障をきたす場合は手術が必要になることがあります。
手・指
手関節・手の構造
手関節は凹凸の関節であり、凹状の橈骨(前腕の親指側の骨)と対になる凸状の手根骨で形成されており、橈骨の横には尺骨が寄り添っています。
手指の骨は、手首の近い部分に8個の手根骨(大菱形骨 小菱形骨 有頭骨 有鉤骨、舟状骨 月状骨 三角骨 豆状骨)が複雑に配列されています。各々の指は基節骨、中節骨、末節骨の3個の骨(母指のみ基節骨、末節骨)で形成され、それぞれの骨は鞍関節(鞍状の関節面とその形態にはまり込む形態の関節)で形成されています。
全ての関節の接触部はそれぞれ軟骨でコーティングされており、滑膜(滑液)とともに肘関節のスムーズな動きを生み出しています。
また全て関節を安定させるため、靭帯が骨を連結しています。
指を動かす筋肉の本体は、前腕の筋肉で肘関節に付着しています。前腕の筋肉より屈筋腱と呼ばれるヒモが骨についており、筋肉が伸び縮みすると、腱が骨を引っ張ることで指が動きます。
また関節をまたぐ部位には腱鞘と言われるトンネルがあり、腱鞘の中で腱が滑走することで指が動きます(腱鞘がないと腱が引っ張られた際に弓の弦の様になってしまいます)。

- 伸ばす筋肉

- 曲げる筋肉

手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)

手首の手のひら側には、手根骨(手の付け根にある8個の骨の集合体)と、横手根靭帯といわれる靭帯で構成される手根管というトンネル状の構造物があります。このトンネルの中を正中神経が通っています(手根管には他にも指を曲げる屈筋腱も通っています)。
様々な原因で、慢性的に正中神経が圧迫されると発症します。
妊娠・出産、更年期の女性に多いです。女性ホルモンが減少することで炎症(滑膜炎)が起こり、むくむことが原因と言われています。他には透析によるアミロイド沈着も原因とされています。

症状
人差し指、中指を中心とした痺れ。
手を振ると痺れが改善する。親指と人差し指でOKサインをしにくい。
治療
❶ 保存治療
痺れなどの症状に対して、投薬、物理療法。夜間のみ安静のための装具療法。
症状が強い場合は患部へのステロイド注射。❷ 手術治療
保存治療で症状の改善がない場合、筋肉の萎縮がある場合、日常生活に支障がある場合は、手術が必要になることがあります。
手関節腱鞘炎:ドゥケルバン病(てかんせつけんしょうえん)

親指指を伸ばす筋肉の本体は、前腕の筋肉です。前腕の筋肉より伸筋腱と呼ばれるヒモが骨についており、筋肉が伸び縮みすると、腱が骨を引っ張ることで指が動きます。
また関節をまたぐ部位には腱鞘というトンネルがあり、腱鞘の中で腱(長母指外転筋、短母指伸筋腱)が滑走することで親指が動きます(腱鞘がないと腱が引っ張られた際に弓の弦の様になってしまいます)。
このトンネルで何らかの原因で炎症が起きて、腫れが起こると、腱の動きが悪くなってしまいます。

症状
痛み、指が動かしにくい、悪化すると指が曲がったまま動かなくなります。
治療
❶ 保存治療
指のストレッチ、抗炎症剤の塗り薬、腱鞘内注射
ステロイド剤の注射は腱を弱くしてしまうため注射は数回まで❷ 体外衝撃波
筋肉や腱など痛みのある部位にエネルギーを与え、組織再生を促します。
その結果、即時的な痛みの軽減、動かしやすさを感じることができます。
(当院で体外衝撃波の治療が行えます)❸ 手術治療
保存治療で症状の改善がない場合、注射治療で症状改善あっても、再発を繰り返す場合は手術が必要になることがあります。
指腱鞘炎:ばね指(ゆびけんしょうえん:ばねゆび)

指を曲げる筋肉の本体は、前腕の筋肉です。前腕の筋肉より屈筋腱と呼ばれるヒモが骨についており、筋肉が伸び縮みすると、腱が骨を引っ張ることで指が動きます。
また関節をまたぐ部位には腱鞘と言われるトンネルがあり、腱鞘の中で腱が滑走することで指が動きます(腱鞘がないと腱が引っ張られた際に弓の弦の様になってしまいます)。
このトンネルで何らかの原因で炎症が起きて、腫れが起こると、腱の動きが悪くなってしまいます。さらに悪化すると、腱鞘自体が厚くなり、腱の引っかかりが起こります。これがばね指です。

症状
痛み、指が動かしにくい、悪化すると指が曲がったまま動かなくなります。
治療
❶ 保存加療
指のストレッチ、抗炎症剤の塗り薬、腱鞘内注射
ステロイド剤の注射は腱を弱くしてしまうため注射は数回まで❷ 体外衝撃波
筋肉や腱など痛みのある部位にエネルギーを与え、組織再生を促します。
その結果、即時的な痛みの軽減、動かしやすさを感じることができます。
(当院で体外衝撃波の治療が行えます)❷ 手術治療
保存治療で症状の改善がない場合、注射治療で症状改善があっても再発を繰り返す場合は手術が必要になることがあります。
CM関節症(CMかんせつしょう)

親指の付け根の手首に近い側にある関節がCM関節です。中手骨と大菱形骨が組み合わさって形成される関節です。
中手骨-大菱形骨の接触部は馬の鞍をひっくり返した様な形をしており、それぞれ接触部は軟骨でコーティングされており、関節のスムーズな動きを生み出しています。
関節の形態的に動く範囲が大きく、軟骨が摩耗しやすい為、関節症を引き起こします。

症状
疼痛
(初めは親指を使う時のみですが、悪化すると何もしなくても痛みを感じる様になります)
治療
❶ 保存治療
安静、装具、物理療法
❷ 手術治療
保存治療で症状の改善がない場合、日常生活に支障がある場合は手術が必要になることがあります。
へバーデン結節(へばーでんけっせつ)

指先から一個目の関節(DIP関節)が赤く腫れたり、変形して曲がってしまう原因不明の病気です。
関節軟骨が摩耗し、骨棘(骨の棘)を形成しながら変形する変形性関節症の一つです。類似疾患には指先から2個目の関節で同様の状態になるブシャール結節があります。
指が変形してしまうものに関節リウマチがありますが、これとは異なります。原因は不明ですが、40代以降の女性に多く、手をよく使う人に発症しやすいです。

症状
痛み、変形の進行、痛みにて指の動きが悪くなります。
場合によりDIP関節周囲にミューカシストと言われるコブの様なできものができることがあります。
治療
❶ 保存治療
テーピングなどで関節の安静、塗り薬
❷ 手術治療
保存治療で症状の改善がない場合、日常生活に支障がある場合は、関節固定などの手術が必要になることが稀にあります。
腰椎
腰の構造
腰椎は椎体(骨)と椎間板というクッションが交互に積み重なった構造をしています。椎間板があるため、腰を動かすことができ、腰は5個の椎体で構成されます。
椎体の後方部分である椎弓と言われるリング状の構造物が連なってできた空間が脊柱管です。脊柱管の中に神経、血管、靭帯があります。
そして脊柱管というトンネルの中を首から腰まで椎体に沿って走る神経が、脊髄です。各椎体間で、脊髄より左右に枝分かれした神経を神経根と言います。
神経根は集まって坐骨神経を形成し、各筋肉までいって情報伝達を行います。
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
加齢や背骨の病気によって、変形した椎間板や椎体の椎間関節から突出した骨で神経が圧迫されます。そのほか脊柱管内に骨化病変ができて、これが神経を圧迫する難病(黄色靭帯骨化症、後縦靭帯骨化症)があります。

症状
足の痺れ、痛み
歩くと症状が出るが、少し休憩すると症状が改善する(間歇跛行)
進行すると足の筋力が低下し、尿の出が悪くなる
治療
❶ 保存治療
投薬治療、注射治療(神経ブロック)、物理療法、運動療法
❷ 手術治療
足の筋力低下、排尿障害、保存治療で改善がなく日常生活に支障が出た場合は、手術治療が必要になることがあります。
腰椎滑り症(ようついすべりしょう)
椎体が前後にズレる(すべる)ことによって、脊柱管の中を通る神経が圧迫されて、様々な症状に至ります。

症状
足の痺れ、痛み
歩くと症状が出るが、少し休憩すると症状が改善する(間歇跛行)
進行すると足の筋力が低下し、尿の出が悪くなる
治療
❶ 保存治療
投薬治療、注射治療(神経ブロック)、物理療法、運動療法
❷ 手術治療
足の筋力低下、排尿障害、保存治療で改善がなく、日常生活に支障が出た場合は、手術治療が必要になることがあります。
腰椎椎間板ヘルニア(ようぶついかんばんへるにあ)

腰椎は椎体(骨)と椎間板というクッションが交互に積み重なった構造をしています。椎間板があるため、腰を動かすことができます。
椎間板が飛び出て、椎体後ろにある神経を圧迫して様々な症状に至ります。
原因としては、加齢や先天的に椎間板が弱くなっているところに外力が加わり、ヘルニアが起こります。

症状
代表的なものとして坐骨神経痛と言われるものがあります。お尻や太もも、足首まで痛み、痺れます。何番目の腰の部位で神経が圧迫されるかで、症状のでる場所が変わります。
場合により足に力が入らない、また尿の出が悪くなることもあります。
治療
❶ 保存治療
50〜80%は手術をしなくても症状の改善が望めると言われています。
投薬治療、注射治療(神経ブロック)、物理療法、運動療法❷ 手術治療
保存治療で改善がない場合、足に力が入らない、尿の出が悪い場合は手術が必要になります。
腰椎圧迫骨折(ようついあっぱくこっせつ)

腰椎は椎体(骨)と椎間板というクッションが交互に積み重なった構造をしています。椎間板があるため、腰を動かすことができます。腰は5個の椎体で構成されます。これら椎体骨がおまんじゅうを潰した様に潰れて(骨折)しまうことがあります。これが圧迫骨折です。
原因としては
- ① 骨粗鬆症により骨密度が低下し、腰椎がいつの間にか骨折(潰れる)してしまう。
- ② 事故や転倒などの衝撃により腰椎が骨折してしまうなどにより生じます。

症状
激しい痛みで歩行できないものから、軽い腰痛まで様々です。
治療
❶ 保存治療
鎮痛剤などの投薬加療、装具療法があります。
❷ 手術治療
神経に障害がある場合や激しい疼痛で動けない場合は手術(脊椎固定術、脊椎形成術)が必要になることがあります。
圧迫骨折は骨粗鬆症が原因で起こっている場合があり、圧迫骨折があった場合は骨粗鬆症の検査を行います。
骨粗鬆症であった場合は治療を行い、今後起こらない様にすることが大切です。
股関節
股関節の構造
股関節は球関節(ボールと受け皿の関節)です。大腿骨(太ももの骨)の先端である大腿骨頭(ボール)が骨盤の臼蓋(受け皿)と組み合わさって形成される関節です。大腿骨頭-臼蓋の接触部はそれぞれ軟骨でコーティングされており、滑膜(滑液)とともに股関節のスムーズな動きを生み出しています。歩いたり、ひねったりするとき、軟骨がクッションとなり痛みを生ずることはありません。
また股関節を安定させるため、股関節周囲は筋肉や腱に囲まれて補強されており、股関節を動かす為の動力にもなっています。
さらに股関節を安定させるために、寛骨臼は関節唇という柔らかい軟骨に取り囲まれています。
変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)
若いときには柔らかく滑らかだった軟骨も、加齢により次第に硬くなり、クッションの効果が失われてしまうことがあります。その結果、ひどい場合には軟骨が擦り減り、骨がこすれて痛みを生じてしまいます。これが変形性股関節症です。
先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全などもともとの形成によるもの、肥満や生活上過度の生活ストレスにより関節の破壊が進む方がいます。
- 正常

- 変形性股関節症

- 正常

- 変形性股関節症

症状
痛み(股関節のみならず、太ももが痛い場合もあります。稀なケースとして膝が痛いと病院を受診する患者様もいらっしゃいます。)
治療
❶ 保存治療
疼痛に対して薬の内服、物理療法を行います。また股関節周囲の筋肉トレーニング、股関節の可動域訓練を行います。(場合により注射療法)
❷ 手術療法
症状が保存加療でコントロールできず、日常生活に支障がある場合、患者様とのご相談によっては手術治療(骨切り術、人工股関節置換術)を行います。
大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)
大腿骨頭の一部の血流低下にて、骨頭が壊死(骨の細胞が死んでしまうこと)すると、大腿骨頭がつぶれて、痛みの原因になります。原因不明で起こる特発性の場合と、大腿骨近位部骨折後やアルコールの多飲、ステロイド服用で起こる場合があり、難病に指定されています。
- 血流障害にて骨頭が壊死する

- レントゲン

骨頭の陥
- MRI

壊死部
症状
痛み(股関節のみならず、太ももが痛い場合もあります)
治療
❶ 保存治療
疼痛に対して薬の内服、物理療法を行います。また股関節周囲の筋肉トレーニング、股関節の可動域訓練を行います。
❷ 手術療法
症状が保存加療でコントロールできず、日常生活に支障がある場合、患者様とのご相談によっては手術治療(血管柄付骨移植、人工股関節置換術)を行います。
関節リウマチ(かんせつりうまち)
関節リウマチとは原因不明の自己免疫疾患(免疫異常によって体の中の正常組織を傷害する物質:自己抗体が産生されることによって起こる病気)です。関節に炎症が起きると、関節液が貯留するとともに滑膜が増生し、パンヌス(リウマチ性肉芽組織)が形成されます。パンヌスが自分の軟骨、骨を攻撃し、関節が破壊されて骨が変形するため、関節の痛みが起こります。
- 関節リウマチの骨変化

- 正常

- 関節リウマチ

症状
朝方に手足の関節がこわばる、あちこちの関節が痛む、手足が痺れる。
治療
❶ 薬物療法
免疫の異常を改善する抗リウマチ薬、サイトカインという炎症性タンパク質抑える生物学的製剤があります。
補助的に炎症を抑えるステロイド剤、痛みを抑える非ステロイド性鎮痛剤を使用します。❷ 整形外科的手術治療
症状が保存加療でコントロールできず、日常生活に支障がある場合、患者様とのご相談によっては手術治療(人工関節、関節固定、リウマチによる腱断裂等手術治療)を行います。
❸ リハビリテーション
物理療法で痛みを軽減し、運動療法で関節の動きと、筋力を鍛える、歩行などの生活動作訓練を行います。
鼠径部痛症候群:
グロインペイン(そけいぶつうしょうこうぐん)
下肢外傷後や、スポーツ(特にサッカー)をしている方に多く報告されています。股関節の可動域(動く範囲)の低下や体幹筋力の低下に伴う動作の不安定性、体幹バランス低下が原因となり、足の付け根周辺の疼痛になるといわれています。
大腿骨寛骨臼
インピンジメント症候群(だいたいこつかんこつきゅう
いんぴんじめんとしょうこうぐん)
股関節を形成する大腿骨(太ももの骨)と骨盤の寛骨臼(受け皿)の形態異常が原因で起こります。寛骨臼は、関節唇という柔らかい軟骨に取り囲まれています。
大腿骨寛骨臼インピンジメントとは繰り返される動作によって、大腿骨頭や寛骨臼の関節軟骨や関節唇など股関節周辺の構造に負担がかかり、損傷をきたすものです。
症状
鼠径部痛、股関節痛、股関節の可動域(動く範囲)の低下。特に股関節を曲げて、内側に捻る際の疼痛
治療
❶ 保存治療
70〜80%が保存治療で経過するといわれています。
鎮痛剤などの投薬治療、注射、日常生活指導、リハビリテーション。❷ 手術治療
症状が保存加療でコントロールできず、日常生活に支障がある場合、患者様とのご相談によっては手術治療が選択されます。
単純性股関節炎(たんじゅんせいこかんせつえん)
突然に股関節の痛み、歩行障害を訴えて医療機関を受診することが多いです。2歳から12歳で発症することが多く、平均では5歳前後です。
男児が女児に比べて2〜3倍の頻度で発症するとされています。
原因ははっきりしていませんが、外傷、アレルギー、感染などが考えられています。明確な診断基準がなく、他の疾患が否定された場合に本疾患が疑われます。
症状
股関節痛、歩けない(場合によっては足を引きずる)
呼吸器感染が先行することがあるため微熱を伴うこともありますが、股関節周囲に腫れ、赤み、熱感はありません。
治療
特別な治療は必要ありません。
数日から2週間程度で自然軽快します。
化膿性股関節炎(かのうせいこかんせつえん)
股関節に細菌が侵入して起こる感染症です。幼い赤ちゃんは血流が十分発達しておらず、抵抗力も低いことより発症します。成長に影響、場合によっては生命に影響を及ぼす重大な感染症です。
詳細不明なことも多いですが、呼吸器など先行する感染があり、他の部位の細菌が血管内に侵入し、股関節で感染を引き起こすと考えられています。
症状
38度以上の発熱、股関節痛
(発熱と股関節痛でぐったりしていることが多いです。また股関節を動かすと、痛みがあるため、足を動かさなくなる『仮性麻痺』を認めます。)
治療
骨の損傷を可能な限り防ぐため、早期治療が基本です。
関節を切開し、膿を排出します。その後抗生剤を投与します。
人工股関節について
人工股関節置換術に至る病気は?
- 変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)
- 大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)
- 関節リウマチ(かんせつりうまち)
- その他
交通事故などの外傷により股関節に損傷がおよび、時間の経過とともに変形性股関節症にいたる場合もあります。
また短期間で急激に股関節の破壊が進む、急速破壊型股関節症などもあります。
人工股関節置換術とは?
壊れた関節が動くことによって痛みが生じるので、壊れた股関節を人工関節に入れ替えて、痛みをとります。
- 人工股関節置換術

- 手術前

- 手術後

関節が破壊されることにより破壊された側の足は短くなり、左右の足の長さに差がでます。
人工股関節置換術により足の長さを可能な限りそろえることができます。
最小侵襲人工股関節置換術
(MIS)とは?

MIS(Minimally Invasive Surgery)とは、一般的に最小侵襲手術と呼ばれる手術方法を指します。
人工関節の領域にはいくつかのMISがありますが、その中でも筋間アプローチである、前方アプローチ(DAA:Direct Anterior Approach)を用いた人工股関節置換術があります。
前方アプローチは筋肉は切らずに筋肉の間より覗き込む様に手術を行い、可能な限り体に負担のかからない様にする方法の一つです。
傷口の大きさも従来法と比較して小さくなります。
従来の手術方法とMIS(前方アプローチ)の違い
❶ 脱臼しにくい、術後制限が少ない - 前方アプローチは筋肉を切らないで、筋肉と筋肉の間より人工関節を設置するため、脱臼しにくいと言われています。手術後は基本的に活動の制限が少ないことが多いです。正座、自転車乗車、しゃがむ動作などすべて、場合によってはレクリエーション程度の運動が許可されることもあります。テニス、サッカー等活動度の高いスポーツは主治医の相談の上可能な場合があります。
❷ 早期退院、早期社会復帰が可能 - 前方アプローチにて人工股関節置換術を行うことにより、術後制限が少ないだけでなく、筋肉を切らないため筋力低下が少なく、術後回復が早いと言われています。その結果、入院期間の短縮が望めます。個人差はありますが、入院期間の平均は1〜2週間程度です。
術後筋力低下が少ない為、早期社会復帰が望めます。
膝関節
膝の構造
膝関節は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(脛の骨)、そして大腿四頭筋(太ももの筋肉と膝蓋腱(膝下の腱)に支えられた膝蓋骨(お皿))の3個の骨が組み合わさって形成される関節です。これら3個の骨の接触部はそれぞれ軟骨でコーティングされており、滑膜(滑液)とともに膝関節のスムーズな動きを生み出しています。また膝関節を動かす時は、軟骨がクッションとなり痛みを生ずることはありません。
また膝関節外、関節の内側に内側側副靭帯、外側に外側側副靭帯、関節内の真ん中に前・後十字靭帯が大腿骨-脛骨を連結し、膝関節を安定させています。関節内大腿骨と脛骨の間には半月板があり、クッションの役割をになっています。
変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)

膝関節は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(脛の骨)、そして大腿四頭筋(太ももの筋肉と膝蓋腱(膝下の腱)に支えられた膝蓋骨(お皿))の3個の骨が組み合わさって形成される関節です。これら3個の骨の接触部はそれぞれ軟骨でコーティングされており、滑膜(滑液)とともに膝関節のスムーズな動きを生み出しています。また膝関節を動かす時は、軟骨がクッションとなり痛みを生ずることはありません。しかし様々な原因で膝関節が傷んでしまい、痛みで日常生活に支障をきたす場合があります。
若いときには柔らかく滑らかだった軟骨も、加齢によりだんだん硬くなり、クッションの効果が失われてしまうことがあります。その結果、ひどい場合には軟骨が擦り減り、骨がこすれて痛みを生じてしまいます。これが変形性膝関節症です。

症状
膝関節痛(特に動き出し時の痛み、階段昇降時の痛み)
膝関節の腫脹(場合により関節内に水が溜まってしまうことがあります)
治療
❶ 保存治療
疼痛に対して薬の内服、ヒアルロン酸関節内注射、物理療法を行います。また膝関節周囲の筋肉トレーニング、膝関節の可動域訓練を行います。肥満がある場合は減量が大切です。
❷ 再生医療
患者様自身の血液より採取した成長因子を使用し、本来ある人間の治す力を用いて傷んだ組織の修復を行うことで痛みを取り、結果活動性を高める治療です。
❸ 手術治療
症状が保存加療でコントロールできない、日常生活に支障がある場合、患者様とのご相談によっては手術治療(人工膝関節置換術、関節鏡下滑膜切除術)を行います。
- 人工膝関節置換術

- 人工膝関節置換術
ジャンパー膝:膝蓋腱炎(じゃんぱーひざ:しつがいけんえん)

膝にストレスがかかる運動(バスケットボール、バレーボールなどジャンプ競技等)の繰り返しによって膝を伸ばす筋肉を使いすぎてしまうことが原因で、痛み、腫れを生じます。
痛みを生じる部位は、① 大腿四頭筋(太ももの筋肉)と膝蓋骨(お皿)の接続部、② 膝蓋骨と膝蓋腱(膝蓋骨と脛骨をつなぐ腱)の接続部、③ 膝蓋腱そのものです。
これらの構造はジャンプやランニングの際に衝撃吸収の役割として働くため、スポーツなどで頻回にジャンプすると強いストレスが腱や接続部にかかり、炎症が起こって痛みや腫れが生じます。

症状
膝関節周囲の痛み
(ジャンプすると痛い、深くしゃがみ込むと痛い、押すと痛い)
治療
❶ 保存治療
スポーツを控える(安静)、アイシング
スポーツを継続する場合は運動前後の十分なストレッチ、運動後のアイシング❷ 体外衝撃波
筋肉や腱など痛みのある部位にエネルギーを与え、組織再生を促します。
その結果、即時的な痛みの軽減、動かしやすさを感じることができます。
(当院で体外衝撃波の治療が行えます)
ランナー膝:腸脛靭帯炎(らんなーひざ:ちょうけいじんたいえん)

ランニング時、歩行時など膝関節の外側に痛みを生じます。太ももの外側にある、太ももの筋肉ふくらはぎの骨を繋いでいる薄い組織を腸脛靭帯と言います。この腸脛靭帯が大腿骨(太ももの骨)の膝関節周囲部と擦れて起こる炎症と、連動した滑液包炎がランナー膝です。
原因は膝の使いすぎ、過度なランニング時間・距離、柔軟性低下、硬い地面や下り坂、適さない運動シューズ、下肢のアンバランス(内反膝)が原因と言われています。

症状
膝関節痛(膝関節外側)
治療
スポーツを控える、安静、消炎鎮痛剤内服、物理療法、柔軟性や下肢バランス改善のため運動療法
足関節、足
足関節・足の構造
足関節は脛骨と腓骨からなる屋根(ほぞ穴)に距骨(ほぞ)がはまるような構造をしています。これら3個の骨の接触部はそれぞれ軟骨でコーティングされており、滑膜(滑液)とともに足関節のスムーズな動きを生み出しています。また足関節を動かす時は、軟骨がクッションとなり痛みを生ずることはありません。
また足関節を安定させるために、内側に三角靭帯、外側に前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯、脛腓靭帯が骨同士を連結しています。
そしてふくらはぎに筋肉と踵骨(踵の骨)を繋ぐアキレス腱があり、足首を足の裏方向にに曲げる役割を担っています。
足の骨は大小28個の骨で構成されており、それぞれ関節を形成し、可動性を有しています。足の裏には足趾(足のゆび)から踵骨(踵の骨)をつなぐ強靭な靭帯である足底筋膜があります。足底筋膜は足のアーチをを形成することにより、足に体重をかけた際スプリングのように衝撃を吸収する役割があります。
- 足関節の構造(内側)

- 足関節の構造(外側)

- 足関節の構造(前面)

- 足関節の構造(後面)

アキレス腱炎・付着部炎(あきれすけんえん・ふちゃくぶえん)

アキレス腱とは下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)と踵骨(踵の骨)をつなぐもので、足首を足の裏方向に曲げる役割があります。このアキレス腱が何らかの原因で炎症を起こした状態です。
スポーツをされている方に多く見られますが、使いすぎ、靴が合わない、扁平足、体重増加など様々な原因が考えられます。

足底腱膜炎(そくていけんまくえん)

足底腱膜は足趾(足のゆび)から踵骨(踵の骨)をつなぐ強靭な靭帯です。足のアーチをを形成することにより、足に体重をかけた際スプリングのように衝撃を吸収する役割があります。
長時間の立位、ランニングなど足底に負担がかかる動作をくり返すことにより、足底筋膜に炎症を起こしたものです。

症状
足の裏の痛み
(歩き出しの痛み、しばらく歩いていると痛みがなくなることが多い)
治療
扁平足・開張足(へんぺいそく・かいちょうそく)
足の裏は3つのアーチ構造(内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチ)があり、このアーチ構造があることで、足に体重をかけた際スプリングのように衝撃を吸収する役割があります。先天的なものから足の筋肉の低下、腱の変性や体重負荷にて内側縦アーチが低下したもの、または全くないものが扁平足です。
また横アーチが低下したものが開張足です。
症状
足の痛み。膝や腰の不快感、立ったり、座ったりする際にバランスを崩してしまう場合があります。
開張足では第2、3趾の付け根にタコができることが多いです。
治療
消炎鎮痛剤、筋力強化、インソール(アーチ構造をサポートする装具)
外反母趾(がいはんぼし)

足の親指がくの字形に小指方向に変形してしまっている状態です。
原因に合っていない靴を使用していること、リウマチによる変形があります。












